168ページ(170分程度)
また読みたい度:★☆☆☆☆
第56回文藝賞
第33回三島由紀夫賞
宇佐見さんの作品は2冊目。
題名そのもの、主人公子のうーちゃんのお母さんについてのお話。
まず、関西風?というか、こん人たちん(登場人物のうーちゃんやかか)の独自の方言での語り口で
ほとんど文章が成り立っているのが、慣れない人はなかなか読み進められないだろうなと感じた。
自分自身もなかなか読みすすめられなかった。
ただ、この作品はこの書き方でないと成り立たないんだろうなと思う。
アルコール依存症の母。夫に浮気され、母にも愛されない母。
自分が一番この世で可哀想で悲しくて、信じて疑わない母。
その母と体と気持ちが融合してしまいそうな主人公のうーちゃん。
誰かを救うためにお母さんを産み直したい・・・
うーちゃんは母を産み直して解放してあげたい・・・
もうこの作家さんの考える次元がすごすぎて
『くるまの娘」同様読み終わっての最初の感想はいい意味でも悪い意味でも「すごい」
本当すごい。
現在における女性問題、家族問題を考えさせるという簡単なことでは言えない
何か見てはいけないものを見たようなそんな作品でした。
心に余裕があるときにしか読まない方がいい本ですね。